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イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、キリスト者としてブログを書いています。

絶対平和のアノマリー

9条についての考察のおわりに

70年前の今日、私たちの国は、長くつづいていた戦争を終えました。この戦争は、満州事変が起こったときからの年数を数えて、15年戦争と呼ばれることもあります。けれども、そもそもこの戦争が起こった原因をさかのぼってみるならば、問題にしなければならな…

日常が消えてゆく

②心のなかで、戦争を完全に放棄する 地球軍の創設というプランは、今のところはまだ現実味がないことを認めざるをえませんが、いずれこの世界において実現しうる可能性であると僕は考えています。数多くの挫折と失敗や、果てしない思考の鍛錬、厳しい現実と…

地球軍の創設   ーグローバル安全保障システムの究極のかたち

戦力を放棄することをうたう日本国憲法第9条は、未来の世界の秩序のあり方を先がけて示しているのではないか。そのように言ってみるさいには、主に二つの可能性があるように思います。率直に言って、これらの道は、両方とも実現するまでにははるかに遠い道…

戦争はいずれ地上から消えてなくなる?   ー未来の人間と平和的生存権

憲法学のなかでは、日本国憲法第9条は人間がもつ新しい権利にかかわっているという議論がなされることがあります。そこでは、次のような主張がしばしばなされます。「平和的生存権と呼ばれるこの権利は、20世紀前半にその萌芽が芽生え、9条によってついに…

ムスカではなくナウシカに   ー9条が私たちに求めていること

気がつくと、9条について論じはじめてから、もう三週間以上もたってしまいました。最初から読んでくださっている方にはとても大きな負担をおかけすることになってしまい、申し訳ありません。終戦の日までには完結しますので、もしよろしければ、あともう少…

この小さな国の平和を守りつづけるために   ー9条についての、とりあえずの結論

前回の記事では、「軍事路線の大国から独自路線の小国へ」というフレーズを立てました。僕は、「大国ではなく小国路線へ」という標語については、9条についてどう考えるにせよ、この国で生きる人たちから少なくない共感を得られるのではないかと思っていま…

軍事路線の大国ではなく、独自路線の小国へ   ーこの国の未来を考える

最初に、9条を弁護してゆくうえで、象徴的な人物をひとり取りあげてみることにします。吉田茂は、戦後のこの国の形を作りあげていったという意味において、私たちにとってきわめて大きな存在でした。9条にたいする吉田の態度は、大枠からいえば、どうやら…

避けるべき未来について   ー9条を弁護する

9条の弁護は、Bグループの人たち、すなわち、「平和を愛していて理性を優先する人たち」に対して行われるというのが、前回の記事でたどりついた地点でした。今回の記事では、さらにこの弁護をつづけてみたいと思います。これまでに書いてきたこととも少し重…

Aグループ?Bグループ?それとも……?   ー9条の弁護を開始する

「私たち日本国民は、いっさいの戦力を放棄する。」今回のシリーズもここに至って、ようやく9条の側に立って語るときがやってきました。色々な変遷を経て、僕は、「この国はこれからも9条を守っていったほうがよいのではないか」という考えを持つようにな…