イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、キリスト者としてブログを書いています。

きーささんの疑問

 
 前回の話のつづきです。新宿のケバブ・スタンドできーささんとお話したとき、とくに印象に残ったのは、きーささんが投げかけた、次のような疑問でした。
 
 
 「philo1985さん。イエス・キリストの福音についてお尋ねしたいんですが。ちょっと前から気になってて。
 
 
 えーとですね、この広い宇宙には、はるか遠いところに異星人が住んでいるいる可能性があるわけです。そういう異星人たちには、イエス・キリストのメッセージはまだ伝わっていないわけですよね。その辺、事情はどうなってるんでしょうか?」
 
 
 なるほど、もっともな疑問です。実は、信仰をもつ前に、僕もその疑問に悩まされていたことがあります。先ほどまで絶望していたことの反動で、大いにテンションを上げながら、僕は次のように答えました。
 
 
 きーささん、僕から伝えたいことが、二つあります。まずは、僕たちには、異星人たちの心配をしているヒマはないということです。
 
 
 本当は、僕もきーささんも、それからピノコくんも、こんなところでケバブを食べている場合ではない。一刻も早く、僕たちは自分たち自身の魂を救われなければなりません。誰によってか? もちろん、私たちすべての主である、イエス・キリストによってです。
 
 
 宇宙のことは、神に任せましょう。僕たちは、僕たち自身の心配をせねばなりません。今日が救いの日、今が救いの時であります。
 
 
 それから、二つ目ですが、もしも実際に異星人たちがいるとしたら、これは大変に重要な問題です。一刻も早く惑星間飛行の技術を開発して、その星におもむかなければなりません。もちろん、私たちの主であるイエス・キリストの存在を、その星の人びとに伝えるためです……!」
 
 
 
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 かくして、この日の会話は終わりました。それにしても、こういうアブない話を振ってもハイテンションで会話をつづけてくれたきーささんには、感謝のしようもありません。
 
 
 このあと仕事があるというので、きーささんは新宿都心のビルの中に消えてゆきました。一つのツイートがきっかけで、あっという間に人と会って話してまた別れてゆくとは、運命は本当に不思議です。その後しばらくのあいだ、僕はピノコくんと一緒に立ちどまって、この日の偶然に思いをはせていたのでした。