イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

お金についての考察のおわりに

 
 前回までで、今回の探求について書きたかったことはいちおう書き終えたので、この辺りでシリーズを終えることにします。
 
 
 けっきょく、大枠としてはわりとふつうな結論に落ち着いてしまったような気もします……。けれども、哲学の闘いは、概念のかぎりを尽くして考えに考えぬいたあとに、確信をもってふつうの結論を力強く肯定することのうちにあると考えることもできるのではないか。
 
 
 それにしても、最近とくに強く実感させられているのは、キリストについて語ることはきわめて難しいということです。ましてや、哲学の範囲内でキリストについて論じることはやはり難しいのではないかと、友人たちからもよく言われます。
 
 
 けれども、僕は、やはり自分にはこの道しかないのではないかと思わずにいられません。対話しつづけてもらえることに感謝しつつ、知恵を求めて、とりあえずは日々の生活をつづけてゆこうと思います。
 
 
 
キリスト 愛 金 真理
 
 
 
 それにつけても、金よ、この世の苦しみよ。ああでもない、こうでもないと考えつづけましたが、お金について何か有用なヒントを得ることはできませんでした。
 
 
 真理はどこにある。自由はどこにある。そんなことを言っているあいだに人生の時間は過ぎ去って、気がついたらすべてを失って、途方に暮れているだけなのではないか……。
 
 
 いや、愛だ。愚かかもしれないしあまりにも甘いことは否定できないにしても、やはり愛しかないのだ。この命を愛のために燃やし尽くさねばならぬ。
 
 
 でも、そんなのはやはりきれいごとなのか。お金はどうする。人生はどうする。わからない、もう何もわからないよ……。
 
 
 しばらく、自問自答しつづけてみることにします。読んでくださって、ありがとうございました!次回から、また別の問題に取りかかることにします。
 
 
 
 
 
 
[いつもこのブログにコメントをくださっている青梗菜さんが、なんと8回にわたってコンゴについての記事を書いてくださいました。とくに、最終回の青梗菜さんの言葉は、僕が問いかけていなかったことを深くえぐるようにして問いかけてくださっていて、多くのことを考えさせられました。ここに、最終回の記事のリンクを貼らせていただくことにします。青梗菜さん、今回は本当にありがとうございました。今回の問いについては、これからも引きつづき考えてゆきたいと思います。http://qinggengcai.blog2.fc2.com/blog-entry-1266.html