イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、キリスト者としてブログを書いています。

人生のスウィートな停止状態

 
 前回の記事を書いたら、なんだか急に楽になったよ、ピノコくん。僕はおかげさまで、とってもいい気分だ。朝日を浴びて輝いている、小川の流れのように……。


 なんというか、人生のスウィートな停止状態とでもいおうか。もう全部いい、これからは完全に本音だけで生きてゆきたいと思って、自分も世界も気にせずに何もかもやめてみたら、これがもう、最高にスウィートな心地よさなんだ……。


 ぜんぶ捨てたつもりだけど、僕にはまだ色々あったのかもしれない。心配事とか、よけいなプライドとか、この世的なものへの執着とか……。そういうものは僕の中にもまだ完全にはなくなってないんだろうけど、何か大きなものが洗い流されていった気がする。


 僕はクズだ。役立たずだ。だけど、生きている。存在しているのだ。なんてすばらしいんだろう。このままずっと停止していたい。もう何もしたくない……。


 最低限の社会的責任だけは、果たさなくっちゃいけない。でも、僕の内側からはもう何かをしたいという気持ちは、何ひとつ出てこない。何もしなくていい世界だ。何もしなくていいって、なんて心地いいんだろう……。



人生のスウィートな停止状態 オリンピック GDP エージェント・スミス ゲシュテル アルバイト



 GDP達成目標もなければ、オリンピックもない。時間泥棒もいないし、エージェント・スミスもいない。最高だ。ゲシュテルの世界から逃れた、存在だけの世界とはこれのことなのか……。


 いや、すごく楽になったよ、ピノコくん。根本のところでは、僕たち人間は、ただ生きてるだけでいいんだ。何もできなくたって、どうしようもなくたって、ただ存在しているだけでいいんだ。


 僕はこれからどうしようかな。しばらくは、アルバイト生活を定着させる方向でやってみよう。それ以上のことはまだわかんないけど、少しだけ元気が出てきたよ。


 なんだかんだ言って、僕はこの世界には感謝せずにはいられない。僕みたいな人間でも、まだこうして生きさせてもらってるわけだし……。前にも言ったけど、もらうだけもらったから、あとは、少しでも何かを与えられる人間になりたいな。