イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

文学はすばらしい

 
 「書くこととは、コミュニケーションすることである。」
 

 僕は今、巨大な虚空の中で、一人つぶやいている。たった今、連星が目の前で轟音を立てて爆発したところだ。ここで相手もいないままに延々としゃべり続けるのが、僕に負わされた運命のようである。
 

 ここでは、何を始めても構わない。自由という牢獄!文学が死んだっていう事実も、ここでは何の意味も持たないのだ。これからの僕はただ、空白を文字で埋め尽くすことだけを糧として生きるだろう。
 

 しかし、僕は実に中途半端な人間なのである。このまま今回は文学テイストで行くしかないと思ってたけど、この段落と前の段落の間に黒ごまきな粉クリームマフィンを食べてたら、ポエムで突っ走るのがだんだん恥ずかしくなってきたのである。
 

 ポエムでゆくとすれば、心を決めて、もはやポエムでゆくしかない。しかし僕は、まあこの人ったらポエムしちゃってウフフとか思われたらどうしようと考えると、ビビって全身が震えだすのである……。
 
 
 
書く 文学 コミュニケーション 黒ごまきな粉クリームマフィン ポエム ブログ 牢獄 自由
 
 

 途中でマフィンなんか食べたのがいけないような気もするが、あのまま最後まで疾走してガチでポエムを完遂してたら痛々しい黒歴史にさらに新たな一ページを加えていたかと思うと、冷や汗が出るのである。
 

 いや、このブログ自体がひとつの壮大な黒歴史に他ならぬのだとすれば、もはや発狂して毎回ポエジーを爆発させた方が気持ちいいような気もするが、そういう風に振り切れることもできず、さりとてハジけたいという物狂おしい衝動(cf.兼好法師)を抑えることもできず、こうして虚空の中で実に中途半端な感じでつぶやき続けるしかないのが、僕の運命なのであろうか……。
 

 ただ、ここ数日で文学ってやっぱりいいなと思えたのが、今回は本当によかったのである。文学も詩も、すばらしい。もしも天国があるとすれば、そこではきっと、いつもどこかで何かの詩が朗読されているだろう。