イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

2019年、年が明けるにあたって

 
 年も明けて2019年である!明けましておめでとうございます、である。うおぉ、哲学の一年がまたしても始まろうとしている!
 

 いやー、お正月からやっぱりお正月にちなんだ何かを書こうかとも思ったけど、やっぱり哲学徒には哲学以外に何もすることなしということで、新年からいきなり本題に入ることとしたい。ちなみに、ひょっとしたら脳の調子がやばいんじゃないか不安は、弱まりはしたけどまだ地味に続いているのである……びくびく。
 

 さて、2019年を迎えるにあたってまず取り上げてみたいのは、およそ学問を学ぶ人すべての心の師の一人であるところの、孔子先生の次のような言葉である。
 

 「昔の学問をする人は己のためにしたが、今の学問をする人は他人のためにしている。」
 

 もちろん、孔子先生は昔の方がよかったと言っているのである。いやこれ、ほんと大事なんじゃないかと思うのだが、これは何気に最近の『イデアの昼と夜』の中心的テーマそのものでもあるのだ。
 

 このブログでは特に最近、僕は自分自身について書きまくっている。いやでもこれは、僕が治療不可能なエゴマニアックだからとか、どうしようもないナルシシストだからとかじゃなくてね、むしろ哲学という営みそのものが、終わることのない「自己への配慮 Souci de soi」そのものであるからに他ならないんよ。……納得してもらえるであろうか?
 

 「……。」
 

 うん。ごめん、そういうのとは全然関係なしに、僕は僕が好き。他に誰も愛してくれない以上、僕はこれからも僕自身をいつまでも愛し続けるよ。しかしだ、他にいかなる事情があるにせよである、哲学とはまずもって己自身の修練をこそ目指すものであるということ、そのことは、いずれにしても動かしがたいのではなかろうか……!
 
 
 
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 自己への配慮である。スシ・ドゥ・ソワである。スシと言っても、むろんアナゴやイクラの話をしているのではない。むしろ、アナゴやイクラを食べる一人の人間たるこのわたしくし、すなわち、philo1985という一つの巨大な謎の話をしているのである。
 

 いやごめん、僕はイクラなんて高級なものは最近食べてない。すでに何度も書いたけど、最近の僕の人生は、ただもう冬期講習だ。仕事が終わった後に盟友のTさんとネパール料理屋でカレーを食べるのが、僕の数少ないぜいたくなのである。
 

 本題に戻ると、このブログでは最近、社会問題について論じていないどころか、一見するともはや哲学問題すらほとんど論じてないようにもみえる。
 

 しかし、昔の人々のように、己のために学問をすること、果てしない自己の鍛錬に生きることこそが、やはり哲学の本来の王道なのではあるまいか。このブログではこれからしばらく、そういうことについて少し考えてみたいのである。そして、少し遅れてしまったが、そういうわけで『イデアの昼と夜』を2019年もどうかよろしくお願いしたいのである。このブログに目を通してくださっている全国若干名の人々に向けて、今年も哲学魂を大いに燃やしつつ、地味に日々の哲学の営みに奮闘することしたい……!