イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

2022-02-12から1日間の記事一覧

「実存的なあり方の第一次的な意味は将来なのである」:『存在と時間』の時間論、あるいは、20世紀哲学における「未来時の持つ根源的な力能の次元の発見」について

パスカルの「賭け」に関する議論については、私たちはすでにその行程をたどり終えた。今や、そこで獲得された成果から、『存在と時間』における議論の核心部の方へと歩みを向け直すべき時である。 論点: 20世紀の思索が向かう方向を決定づけた書物である『…