イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

2022-04-28から1日間の記事一覧

日常の風景が、「問いかけ」の場面へと変わるとき:『存在と時間』第55節が描き出す情景

「呼び声」の分析を進めてゆくために、ハイデッガーの以下の言葉を取り上げつつ、「聞く」ことの可能性について考えてみることとしたい。 「〈ひと〉の公共性やその空談へとみずからを喪失しながら、現存在は、〈ひとである自己〉の言うことを聞くことにあっ…