「さらば、世界史。これからはクリスチャンらしく、神さまの望みにしたがって生きよう……!」しかし、どうやら、心の洗濯はまだ完全には終わっていないようです。これまで以上に見苦しくなるかとは思いますが、どうかご容赦ください!
僕は青年時代、麻布学園というところに通っていましたが、高校三年生のときには、実力テストでは一位以外の順位を取ったことがありませんでした。受験のときに受けた東大模試では、自分の科類のなかで一位を取ったことを記憶しています。
僕は他のことは全てからっきしダメですが、客観的にみても知能だけはめちゃくちゃに高いほうだと思います。哲学にも文学にものめり込み、世界中のあらゆる古典を読みあさりました。それだけでは飽きたらず、図書館のあらゆる棚の本を読みまくっていた時期もあります。
しかし、最近になってから気がついたのですが、僕には、世間のなかでうまくやってゆくという才能が、もう致命的というくらいに欠けまくっています。ありがたいことに、少数ながら、恋人や友人にはこれまでずっと恵まれてきましたが、その他の面では、もはや社会不適合と呼んでもいいくらいのレベルです。
「これでは、この社会の中では生きてゆけないではないか。」不幸なことに、このことに気がつくのが、少しばかり遅すぎました。気がつけば、僕は世間的にはほぼゼロといってもいい存在で、しかも、最近の眼の不調のせいで、まともに働ける見込みすら立っていないという状況です。
この問題については、「すべてを捨てて神さまに委ねる!」ということで解決がついていたはずでしたが、今日、ピノコくんが、自分の文章が載っている論文集を受けとってニコニコしているのをみて、不覚ながらへこんでしまいました。
ピノコくんは、着実にキャリアを積んでいっている。でも、僕だって努力だけは猛烈に重ねつづけてきたのに、なぜこんなにも全てがうまくいかないのだろう……。
しかし、自分を支えてくれている恋人のよいニュースすら共に喜べないともなれば、人間としておしまいです!ごめんなさい、ピノコくん。僕は確かに、君が将来いい研究者になれるように願ってはいる。ただ僕は、君に比べて、自分の人生があまりにもみじめすぎるように見えて、涙で目がくもっているだけなんだ……!
書いたら、少しだけスッキリしました。僕はまず、自分の余計なプライドを粉々に打ちくだくところから始めるべきかもしれません!