イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

しばらく、このままにさせてください

 
 ネパール料理屋さんでの会話はつづきます。
 
 
 「ああ、何もやりたくない!でもねTさん、僕は、この3ヶ月のあいだに、この世の中には生きてゆくのがめちゃくちゃに苦しい人がいるってことも、痛いほどわかりました」
 
 
 苦しい人がいるならば、何かその人の助けになるようなことがしたい。これは、今の正直な気持ちです。僕の場合だと、神学校に行って学びなおして牧師さんになるというのも、一つの選択肢かもしれません。
 
 
 けれども、ああ!僕はこの3ヶ月間、自分の教会の牧師先生が働いていらっしゃる様子を見てきましたが、その人の働いている様子は、まさに超人的としか言いようのない活躍ぶりでした。ただただ尊敬するばかりです。僕がいつかあんな風になれるとは、決して思えません……。
 
 
 それでは、今からなにか別の仕事を見つけるべきか。正直に言います。左眼も治らない今、僕には、何もできる自信がありません。3年前、僕は自信にあふれた若者でした。今は、自分がただの完全な役立たずであることを自覚しつつあります。
 
 
 立派な人になりたいとすらもう言えず、ふつうに生きてゆく自信すらもなく、ましてや、世界史に残りたいだなんて夢にも言えず、今はただ、ごめんなさいとしか言えません。何でもいいから、許してほしい。僕はもう、生きてゆけません……。
 
 
 
牧師先生 苦しい 何もできない がんばりたくない
 
 
 
 何もできない。そう書くと、少しだけラクになります。世の中では、後ろ向きなことを言うのは、あまりほめられたことではないとされていますが、書くことは、人間にわずかな解放をもたらしてくれます。もうダメだ。もう、どうにもなりません。
 
 
 「明日からまたがんばります」と書きたいところですが、正直に言うと、明日からもがんばりたくありません。せめて、「いつかは立ち上がります」と書きたいところですが、立ち上がりたくありません。しばらくはこのまま、沈んでいたい。ごめんなさい……。