イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

ピノコくんからの、手痛い一言

 
 今回の探求をはじめるきっかけになったのは、このブログをいつも手伝ってくれている助手のピノコくんからの、次のような一言でした。
 
 
 「あなたが何を主張したとしても、哲学の世界ではまともに受けとってもらえないよ。あなたは、大学院をやめただけの単なるアマチュアだと思われるだろうし。」
 
 
 なにかの軽い口論のさいのはずみで出た言葉でしたが、この言葉は、筆者の心に深く突きささりました。応援してくれているはずなのになんでそんなこと言うんだよピノコくん、という論点はとりあえず置いておくことにしましょう。
 
 
 僕は最近、哲学のアンダーグラウンドというイデーに取り憑かれています。大学で学んだ哲学の成果を、大学ではないところにおいても発信してゆくという可能性はないものだろうか。
 
 
 キリストを宣べ伝えつつ哲学をしてゆくためには、今はまだこの世に存在していない、哲学のアンダーグラウンドを立ちあげてゆく必要があるのではないか。そう燃えたっていた矢先に、ピノコくんから先のような言葉を浴びせられたので、思わず立ち止まって現実を見つめなおさなければという気になってきました……。
 
 
 
ピノコくん 哲学のアンダーグラウンド ダイ・ハード ブルース・ウィルス アマチュア
 
 
 
 たしかに、息まいて「哲学のアンダーグラウンドで知恵を追いもとめる!」というと、風車のことを巨人と見間違えて突っこむ、あのドン・キホーテのようではあります。無所属で素浪人の哲学徒がいくらがんばったとしても、まったく未来はないのでしょうか。
 
 
 ところが、ピノコくんと会話していた時に僕の脳裏に浮かんできたのは、ドン・キホーテではなく、あのブルース・ウィリスでした。それも、名作『ダイ・ハード』のブルース・ウィリス、犯罪者たちが占拠するナカトミビルに一人で突っこんでゆくブルース・ウィリスです。
 
 
 ピノコくん、この世を動かすことがどれほど難しいか、僕はこの数年の挫折の連続で、嫌というほど味わったつもりだ。だが、僕にはもうこの道しかない。この生き方しかないんだ。
 
 
 散らば散ろう。だが、その前だけに勝負だけはしてみたいのだ……!というわけで、しばらく男の散りぎわについて、ではなく、アンダーグラウンドでのサバイバルについて考えてみることにします。