2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「人権の根拠についての問いは、はてしない対話の営みを要求する。」この1月のあいだにさまざまな人と今回の探求のテーマについて話してみて、あらためてそう感じさせられました。 人権は神の愛にもとづくというC2の立場が筆者の支持するところですが、いう…
今回の探求の終わりに確認しておきたいのは、「人権は、もしもリアルなものであるとするならば、この世で見捨てられているどんな人をも放っておかないことを要求する」ということです。 どんな人も、不当に傷つけられたり搾取されたりすることのない世界。す…
人権についての筆者自身の考えは、前回に見た、次のような見解にまとめることができそうです。 「人権は、究極のところでは人間にたいする神の愛にもとづく。」 神の愛は何かの見返りとして与えられるようなものではなく、純粋な贈与のオーダーに属していま…
今回はすこし肩の力をぬいて、これまでに考えたことをまとめておくことにしましょう。人権というイデーについては、さしあたっては次の三つの立場をとることが可能です。 A.「人権なんてフィクションにすぎないのだから、いざという時には踏みにじっても構…
このあたりで、筆者自身の信念について書いておくことにします。一般に受け入れられにくいということを認めたうえで、筆者には、人権というイデーの根拠は、最後のところでは次の点に求めるしかないのではないかと思われます。 「神が、私たちの一人一人を愛…
そもそも、人権というイデーには、疑いを挟もうと思えば、いくらでも挟めるものであると言えるかもしれません。フランス革命で有名な人権宣言の第一条には、次のようにあります。 「人間は自由かつ権利において平等なものとして生まれ、また存在する。」 現…
「人権なんてフィクションにすぎないのだから、いざという時には踏みにじったって構わないのだ!」もしも、Mr.ジョーカーのような人がそのように主張するとしたら、このブログの筆者としては、次のように答えるしか道は残されていないのではないかと考えます…
「人権なんてフィクションはかなぐり捨てて、本音で生きようじゃないか。」このような立場に立つ人を、かりにMr.ジョーカーと呼ぶことにしましょう。Mr.ジョーカーとしっかり向きあうために、もう少しかれの言葉に耳を傾けてみます。 「私みたいな正直者は、…
「人権は、たとえフィクションであるにしても守っておいた方がよい。」前回の記事で見たこの主張にたいしては、次のように言う人が出てくる可能性があります。 「うはは、そんなまどろっこしい理屈だけで、世界が守れるものかね。私に言わせればだ、ローティ…
「人権なんて、ただのフィクションにすぎないではないか。」このような意見に直面するとき、私たちはいったいどのように答えたらよいのでしょうか。 この点については、ここ数十年の歴史の流れにおいて、おおむね次のような方向で答える知識人は少なくなかっ…
「役に立たない人間は、この世から消えた方がいい」というロジックの背後には、「人間は、働いて何かを生産するかぎりにおいてのみ価値をもつ」という人間観があるとすれば、このロジックに立ち向かうためには、私たちは、次のように主張する必要があるよう…
「役に立たない人間は、この世から消えた方がいい。」このロジックは、昨年の相模原の事件だけでなく、ナチス・ドイツによる障害者の殺害にも用いられました。今回の探求では、具体的なトピックというよりはこのロジックそのものに焦点を当てて考えてみるこ…
体調がある程度よくなったと思ったら、今日はなぜか目がずっと痛くてほとんど使えなかったよ。 「なんで?」 わからない。精神的なものなのかな……?でも、本題はそこじゃなくて、そのせいで今日は去年のことを思い出してたんだ。 去年の今ごろの僕の調子は最…
……しかし、ピノコくん。僕には反省するべき点がひとつあるように思う。 「……ひとつ?」 いや、そりゃ無限にあるわけだけど、その内のひとつということであって!すでに何度か書いたけど、ここのところ自分の悩みについて書きつづけているけど、世の中には自…
[新年、明けましておめでとうございます。みなさま、2017年もよろしくお願いいたします……!] ピノコくん、今年もよろしく!まずは、昨年末に言いそびれてしまった話題があってね。 「……何?」 それは、個人的なことというよりは一般的な話に広げてみたいこ…