イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

2018-01-01から1年間の記事一覧

今年もありがとうございました

2018年ももう終わりだけど、最後になってまたしても反省である。しくしく……。 「……何かあったんですか?」 前回の記事にも少し書いたけど、ここ数日やたらと頭が疲れてたせいで、脳の調子がおかしくなったんじゃないかノイローゼに襲われていたのである。頭…

探せ、汝の朽ち果てるべき場所を

気がつけば、すでに年末である。今回とあともう一回書いたら、2018年もあっという間に終わりである。光陰矢のごとしとはよく言ったもので、現代風に言い直すならば、月日が流れゆくのが速いこと、まさしく無線LANのごとしであると言わざるをえぬ。 しかし、…

若者よ、君はなぜ今も

この機会に、書くということについて考えておきたい。何か見えそうなのである。おそらく、この何かは僕の人生にとって、かなり重要なことなのではないか……。 作家志望の若者のことを考えてみる。若者って言っても、もうそろそろ人生どうすんの君っていうくら…

地には平和を

しかしやはり、難しいのはバランスである。クリスマスイブということで、今日はやはり聖書の言葉に耳を傾けておくこととしたい。 「いと高きところには栄光、神にあれ、 地には平和、御心に適う人にあれ。」(『ルカによる福音書』2: 14) 僕にはどうしても…

ただもう光、光、光

先週、久しぶりに『ショーシャンクの空に』のことが話題に上ったのである。見たことある? 「……いや、ないですね。」 これは超定番だけど、めっちゃいい映画なのである。確か、世界中の人々に聞いた、ある一番好きな映画ランキングでも一位を取ったとか取ら…

本日、都合により……。その2

うおおおおぉ!失敗した!失敗したのである! 「……どうしたんですか?」 続きものの記事を書いてたら色々あってうまくいかなくなってしまい、結局最初から最後まで全部ボツったから、今日のための記事すらなくなっちゃったのである!うおぉ、何てこった! と…

おじさんは経験論者

受験の季節が近づいてきたのである。僕の塾でも、そろそろ本番に向けての追い込みがはじまりつつあるのである。 「……なるほど。」 あ、でもその前にいちおう確認しておくけど、前回の記事で一週間以上お風呂に入らなかったことがあるって書いたの、もちろん…

この人に聞く 第73回 : philo1985さん(哲学者)

すっかり肌寒くなった12月のある日、待ち合わせていた場所にphiloさんは颯爽と現れた。今をときめくカリスマ哲学者として超多忙な日々を送っている中、無理を言って本誌のインタビューに応じてもらったのだ。 「この季節、好きなんですよね。ほら、今の時期…

「ご連絡をお待ちしています」 哲学者は語る

質問者: 質問を続けます。あなたのブログを読んでいると、この人の書くものには一貫性があるのかという疑問に捉われざるをえません。泌尿器科での検診、マテ茶への不安、そして、最近ではあなたは源頼朝について書いていらっしゃいます。その場の勢いで書き…

「わたしは調馬師です」 ーある哲学者へのインタビュー

質問者:2018年末のこの時点において、あなたは昨今の哲学の状況をどのように捉えておいでですか? philo1985: 最初に一言だけ申し上げるとすれば、どうもこうもありませんね!哲学は死んでいます。何よりもまず、文体が欠けているのです。文体のないところ…

深夜三時に考える

今日もなぜか、気がついてみればすでに夜中の三時である。生活リズムが狂ってしまいつつある上に、今さっき、この時間にりくろーおじさんのチーズケーキまで食べるという暴挙まで犯してしまった以上、もはやブログを書かずに寝るわけにはゆかぬ。 深夜三時の…

意味は隣人のうちに

夜中の2時半にこれを書いているのだが、人間の最も大きな仕事とは、毎日の日々における隣人たちとの関わりなのではないかと昼間に散歩していて思ったのである。 われわれ人間は、毎日色んな他者たちと関わって、話したり、一緒に何かしたり、互いに笑い合っ…

俺のKAMAKURA

頼朝の話を続けよう。平安時代末期の関東地方がめちゃくちゃ興味深いのは、当時のこの地域が、ドラスティックな変化の可能性を潜在的にはらんでいたからである。 頼朝の決起は、この潜勢力を関東の大地に炸裂させたのである。それまで、なんとか自分の土地を…

すごいぞ、頼朝

クリスマスとはほんとに全然関係ないんだけど、最近、鎌倉時代の歴史にはまっているのである! 「……鎌倉時代、ですか。」 うん。ていうか、特に源頼朝という人物からは、何か学びとるべきものがあるような気がしてならないのである。 頼朝の人生は、THE・逆…

今月はクリスマス

毎日熱いマテ茶を飲むという南米の習慣は、遺憾なことに、食道にはよくないらしい。というわけで、別に普段から飲んでるわけではないが、マテ茶に対するすさまじい恐怖を感じずにはいられない今日この頃ではあるが、いちおう調子は二日前よりも少しだけよく…

熱い食べ物をめぐる不安

しくしく。心配なのである。悩みすぎてもしょうがないのは自分でもわかってるんだけど、それでもやっぱり心配なのである……。 「……どうしたんですか。」 うん。あのね、熱い食べ物とか飲み物って食道にはよくないって、よく言うでしょ。このところ、ずっとう…

「波は、あなたのもとに……。」

前々回の記事で用いた「キリストを宣べ伝えるビッグ・ウェーブ」という表現については、次のような意見もあるかもしれぬ。 キリスト者への一意見: ビッグ・ウェーブねえ……。こんなこと言ったら申し訳ないかもだけど、わたしの所にはそんな波、全然届いてな…

ポーランドのマチェクさん

ところで、前回の記事で二年前のポーランド旅行のことをちょっと話題に出したあと、そこで出会ったマチェクさんという人物のことを思い出したのである。 「philoくん。俺は昔、毎晩のようにパーティーに出かけて暮らしていた。だがある時、そんな生活がふい…

教会とは何か

話が逸れたついでに、ここで一度、教会なるものの存在について考えておきたい。 キリスト者の共通了解事項: 教会とは、キリストの体である。 これは使徒パウロが彼の手紙のさまざまな箇所で語っているところの、教会についての根本認識である。 この見方に…

映画館への小旅行

話は全然変わるけど、今週の日曜日に、渋谷の映画館に『パウロ 〜愛と赦しの物語』を見に行ったのである。 一人で、ではない。友達いないがゆえに、フツーなら当然そうなるところであろうが(自分で書いてて悲しいなこれ)、今回は僕もリーダーの一人を務め…

指の役割

バプテスマのヨハネといえばやはり、超有名なあのセリフを取り上げねばなるまい。 「わたしの後から来る方は、わたしよりも優れておられる。わたしは、その履物をお脱がせする値打ちもない。」(『マタイによる福音書』第3章11節) キリスト者に必要なのは、…

バプテスマのヨハネについて

信仰者と荒野ということでいえば、やはり『イザヤ書』40章なしですますというわけにはゆかぬであろう。 「呼びかける声がある。 主のために、荒れ野に道を備え わたしたちの神のために、荒地に広い道を通せ。」(『イザヤ書』40章3節) 荒野で叫ぶという、こ…

荒野を恐るることなかれ

「福音について書き始めてからブログのアクセスが減っている」と書いたところ、その記事をアップしたツイッターの投稿に少なからぬ「いいね」を付けていただいたのである。 このように励ましをいただいていることについては、本当に感謝としか言いようがない…

神は愛なり

自分の進むべき方向に迷った時には、常に原点に立ち戻る必要があるのではなかろうか。 「神は愛です。」(『ヨハネの手紙 一』第4章16節) 愛は大事です、ではない。神は愛です、である。これこそは、イエス・キリストの福音の核にして心臓部である。 人間に…

時が良くても悪くても

はたしてこれからも、福音について書き続けるべきなのであろうか。しかし、こういう時に依って立つべきは、やはり聖書の言葉であるように思われる。 「御言葉(みことば)を宣べ伝えなさい。時が良くても悪くても、しっかりやりなさい。」(『テモテへの手紙…

着実に減っている

預言の成就についてはひと段落したので、この辺りで少し立ち止まりつつ、このブログに関する問題について考えてみたい。 『イデアの昼と夜』に関する一事実: 福音について本格的に書きはじめて以来、アクセスはゆっくりと、しかし着実に減少している。 分か…

あるにはあるのですが……。

キリスト者への一意見: なるほど、インマヌエル預言ね。一応、話は分かりましたよ。だけどなんだかなあ、申し訳ないんだけど、なんかビビッと来ないんだな。もっとすごいやつないの? これに類するコメントに対しては、まことに心苦しいのではあるが、次の…

その名はインマヌエル

最も有名な預言のひとつとして、『イザヤ書』7章のものを取り上げてみることにする。 インマヌエル預言: 「見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み その名をインマヌエルと呼ぶ。」 (『イザヤ書』7章14節) いわゆるインマヌエル預言である。ここで語られ…

「預言の成就」

それにしても、終末についてさらに掘り下げる前に一点、福音について先に論じておくことがあったのである。 福音の核心その2: 預言は成就した。そして、キリストの到来とともに、今や新しい時代が始まっているのである。 ザ・プロフェシー・ハズ・カム・ト…

「いつ来るんすか?」

おそらく終末というと、次のような疑問が出てくることは避けられぬであろう。 キリスト者への疑問: いや〜終末っすか、いいっすね、いい感じに狂ってますね!僕、そういうの大好きっす。でも2012年のアセンションの時も期待してたのに何も起こらなかったし…