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イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、キリスト者としてブログを書いています。

たまには、自分だけの場所を踏みこえたところで   ー言論の未来についての考察のおわりに

ゆっくりと進んでいる変化であるために、しばしば見落としてしまいがちですが、この国のマルチチュードはこの数十年のあいだに、とても大きな変化を遂げつつあります。確かに、これからのちの日本は、多くの問題に向きあってゆかなければならないことでしょ…

マルチチュードの共生モード   ー私生活が、パブリックなものに接続する瞬間

私たち一人一人のことをマルチチュードと呼んでみることにすると、私たち自身のうちに宿っている多様性の側面がきわだってきます。時代が進むにつれて増大しつづけているこの多様性を、パブリックな言論の力にうまく変えてゆくプランを描くことができるなら…

言論のマルチチュードへ!   ーこれからのデモクラシーを考えるために

私たちは、言論の世界の未来を探しもとめて、ブログ文化、ジャーナリズムの世界における変化、そして、ゲンロンカフェの試みについて見てきました。これらのケースすべては、ある共通した方向を指し示しているように思われます。今回のシリーズをまとめるに…

私たちの時代のアゴラ   ー1月17日のゲンロンカフェで起こっていたこと

1月17日にゲンロンカフェで行われたイベント『現代思想の使命』の内容について、ここで多くを語るのは控えておくことにします。その頃、世を騒がせていたシャルリ・エブド事件についてのコメントにはじまって、ニヒルな社会派作家であるミシェル・ウェルベッ…

ニュー・アカデミズムからゲンロンカフェへ   ーこの国の言論の歴史をたどる

前回の記事では、東浩紀さんが経営するゲンロンカフェについて、その概要を紹介しました。経営者である東浩紀さんは、集英社発刊の文芸誌『すばる』2015年2月号において、ゲンロンカフェの試みについて、次のように発言しています。 「人文知に魅力を感じる…

ゲンロンカフェと思想の現場

私たちは「サペーレ・アウデ!」のリフレインを追うようにして、ブログ文化、ジャーナリズムの世界と見てきましたが、今日の記事では、現在の思想界で活躍している東浩紀さんの活動について論じてみたいと思います。 東浩紀さんをご存知でしょうか?東さんは…

ソクラテス的なライフスタイルへ   ーNewsPicksから見えてくる心性の変化

NewsPicksについて、言論の未来を考えるうえで重要だと思える特質をもう一つここで挙げるとするならば、このアプリを利用することで、ユーザーが対話や議論にたいして自然と開かれるようになってゆくという点です。 ある記事にたいして、自分でコメントをつ…

NewsPicksから見えてくる、ジャーナリズムの近未来

前回の記事ではブログ文化について論じてみましたが、次はジャーナリズムの世界に目を移してみることにしましょう。私たちはこの領域においても、「サペーレ・アウデ!」の声が響きわたっているのを聞くことになります。 突然ですが、これまでにニュースアプ…

「人間性にたいする犯罪」?   ー啓蒙とブログ文化のつながりを考える

自らの理性を用いて考えること、そして、自分が考えたことをすべての人びとに向けて発表すること。イマヌエル・カントが『啓蒙とは何か』において「理性の公的な使用」と呼んだ行為は、インターネットの出現によって、今や誰にでも実行可能なものになりまし…

サペーレ・アウデ!   ーカント『啓蒙とは何か』からのスタート

言論の世界についてこれから考えてゆくうえで、まずは進んでゆくべき方向をしっかりと見据えておくことにしましょう。今日の記事では、ドイツの哲学者であるイマヌエル・カントが1784年に発表した、『啓蒙とは何か』から出発して論じてみたいと思います。200…

2015年9月、いま、言論の状況は?

気がつくと、9月ももう7日です。集団的自衛権の行使をめぐる案件が、いよいよ大詰めに入ろうとしています。インターネット上でもさまざまな意見が交わされていますが、このブログにおいても、これから数回をかけて、今のこの国の状況について考えてみるこ…