イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

2015-08-27から1日間の記事一覧

ハンバートが自分でも気づかないうちに、語ってしまっていること   ー『ロリータ』における傷の問題

当然の報いというべきでしょうか、ハンバート・ハンバートとロリータの関係は、物語が進んでゆくにつれて次第に破綻を迎えてゆきます。この破綻は、ハンバートの魂にとり返しのつかない傷を与えることになり、最終的に、彼は殺人に手を染めるまでに至るので…