イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

2021-11-18から1日間の記事一覧

『存在と時間』の根本テーゼ「実存の各自性」:「現存在であるところのわたしは、他の誰でもない『この人間』としての生を生きることのうちへと呼び出されている」

「死はそのつど私のものである」という『存在と時間』第47節の表現は、この本自体の道行きを考える時には、きわめて重要な意味を持ってくる。なぜなら、この本の探求が本格的に開始される第9節の時点において、ハイデッガーはすでに、次のように書きつけてい…