Lonnie Liston Smith & The Cosmic Echoes /Sunset
最初に、前回の記事で書いた、行きつけのネパール料理店の雰囲気を体現しているように思われる音楽を貼っておくことにします。リラックスしたい時にはおすすめの曲なのですが、明らかに僕が書いている文章よりもクオリティーが高いので、すこし複雑な気分になってしまうのも事実です……。それはともかくとして、長い一日を終えたあとの電車などで聴くと、とても癒されますので、もし興味があれば聴いてみてください。
さて、カレー屋さんについて書いている以上、カレーについても論じないわけにはゆきません!今日は、この世を超えたところに存在するカレーの天国に入るための方法について書くことにしたいと思います。
まずはとにかく、「ナンカレーを好きかどうか」という点が大切な分かれ目になってきます。僕のまわりの人びとを見ていると、ナンカレーにたいする反応は、どうやら次の二つに分かれるようです。すなわち、このメニューに関しては、「週に何回でも食べられる!」という人と、「たまにはいいけど、毎週はちょっと……。」という人がいるようなのです。
もちろん、僕とTさんは、下手をすると毎日でもイケるのではないかというくらいに、ナンカレーが口になじむタイプです。逆に、一週間のあいだネパール人料理屋さんに行っていないと、まるで祖国をなつかしむ亡命者のような気分になってきます。
残念なことに、助手のピノコくんは、最近ではナンカレーを一緒に食べに行ってくれなくなってしまいました……。どうも、僕と食べにゆきすぎたせいで拒否反応が出るようになってしまったようなのですが(ごめんなさい……。)、今の彼女にとっては、天上のカレーの国は、残念ながら縁どおく感じられるもののようです。
ピノコくんはそのかわり、酸辣湯麺(スーラータンメン)という中華麺が異様に好きです。正直に言って、カレーの天国を信仰している僕にとっては、酸辣湯麺天国なるものがはたして存在するかどうかは少し疑わしく思えますが、彼女は、毎日でもあの酸っぱい料理を食べつづけていたいそうです。僕は、彼女がいつの日か真理に気づいて正統なナンカレーの道に立ち返ってくれることを、ひそかに願いつづけています……!
上の写真は、僕がいつも頼んでいる学生セットです。いつも「ベジタブル、辛さはふつう、飲み物はアイスチャイ」でオーダーするのですが、前回にも書いたように、値段は夜でも800円です!そして、学生でないTさんはいつも「サグマトン(ほうれん草と羊の肉)とナン」を頼んでいますが、ネパール人の店長が気を利かせてくれるおかげで、飲み物のラッシーがいつもサービスで付いてきます。
このお店でカレーを食べながらおしゃべりをしていると、ナンカレーという食べ物が、なにか特別なメニューであるかのように思えてくるから不思議なものです。永遠の安らぎを与えてくれる、聖なる食べ物とでもいいますか、もちもちしたナンの食感と、スパイスのきいたカレーの深い味わいを超えて、どこまでも穏やかな精神のヴァイブレーションが、じんわりと体にゆきわたってゆくような気がしてきます。
「死んだのちにも、わたしはひょっとすると、こうやってナンカレーを食べているのではないか……。」ちょっとアブない思考のようにも見えますが、この世の価値観に惑わされていけません!そう思えるようになってきたら、カレーの天国はあなたのもとに近づいているのかもしれません。できるだけインド料理屋さんかネパール料理屋さんに通いつづけて、着実に信仰を深めてゆくのがよいのではないかと思います。僕とTさんは、カレーの天国をめざしてこれからも食べつづけてゆくことにしますので、もし他にもナンカレーが好きでたまらないという方がいましたら、ぜひ互いに信仰を励ましあいましょう!