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イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、キリスト者としてブログを書いています。

憲法について考える

死者たちのことを悼みながら、決意した人びと   ー憲法についての考察のおわりに

これまでのシリーズのなかでは、日本国憲法の今のすがたと未来のすがたに、焦点を当ててきました。けれども、憲法の問題を考えるさいには、本当は何よりもまず、過去にこそ目を向けなければならないところでした。遅くなってしまいましたが、最後にその点に…

日常を愛する人たちが、考えはじめるとき   ー日本国憲法と私たち

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって・・・ 日本国憲法前文 「日本国民は、みずからが掲げた崇高な理想を深く自覚する。そして、国際社会のなかで名誉ある地位を占めたいと思う。」私たちがこのシ…

「私たち」という言葉を取りもどすために   ー未来の共生にむけて

今日は、パブリックな言論をめぐる現在の状況を確認したうえで、この国の未来について考えてみることにしたいと思います。私たちは前回、これまでの憲法学におけるスタンダードであったマグナ・カルタ的憲法観にたいして、ヘーゲル的憲法観というパースペク…

新しい国づくりへの提言    ーヘーゲル的憲法観が私たちの意識を変える

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。 日本国憲法前文 「個人を…

1215年、中世のロンドン ー憲法の源流へ

廷吏はこののち、自らの主張のみに基づいて、この目的のために召喚される信頼のおける証人なしには、何ものをも裁判にかけてはならない。 マグナ・カルタ第38条 今日は視野を世界にまで広げて、私たちの日本国憲法の源流のひとつをさぐってみることにしまし…

「侵すことのできない永久の権利」   ーマグナ・カルタ的憲法観について

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保証する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。 日本国憲法第11条 私たちは、憲法89条後段が提起している問題について検討を加えてみまし…

憲法について、あまり知られていない話   ー89条後段をめぐって(2)

公金その他の公の財産は、公の支配に属しない慈善もしくは博愛の事業に対し、これを支出し、またはその利用に供してはならない。 日本国憲法第89条(目下の文脈に応じて一部を削除) 当初の解釈: 国のお金は、民間団体がおこなう福祉事業に使ってはいけない…

憲法について、あまり知られていない話   ー89条後段をめぐって(1)

公金その他の公の財産は、宗教上の組織もしくは団体の使用、便益もしくは維持のため、または公の支配に属しない慈善、教育もしくは博愛の事業に対し、これを支出し、またはその利用に供してはならない。 日本国憲法第89条 まずは、日本国憲法をめぐる現在の…

「われらとわれらの子孫のために」   ー日本国憲法について考える

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し…