イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

ポーランドのマチェクさん

 
 ところで、前回の記事で二年前のポーランド旅行のことをちょっと話題に出したあと、そこで出会ったマチェクさんという人物のことを思い出したのである。
 

 「philoくん。俺は昔、毎晩のようにパーティーに出かけて暮らしていた。だがある時、そんな生活がふいに空しくなったんだ。」
 

 日曜日の礼拝に出させてもらったワルシャワの教会でお昼をごちそうしてもらった時に、僕はキリスト者で建築家のマチェクさんから話を聞いたのである。ネクラな僕からしたら毎晩パーティーというのは想像力のハンチューを超える話ではあるけど、連日のパーティー生活にうんざりっていうのは、他のヨーロッパの人たちからも何回か聞いたことがある。
 

 「俺は思った。生きてる意味って何なんだ。パーティーだけがそれだというなら、この人生はあまりに空しすぎるのではないか。俺は、生きる意味を探し求めた。」
 

 この後に何が来るかは、もはや言わずもがなであろう。いやしかし、それでも言ってもらわねばならぬ。マチェクさん、僕は今、あなたの激アツな言葉を思い出す。一つここで遠慮なく、かましちゃってください……!
 

 「そして俺は、イエス・キリストに出会ったんだ。God loves you。神はお前を愛している。俺は、この言葉を多くの人に伝える者へと変えられたってわけだ……。」
 

 確かにその言葉どおり、マチェクさんは僕たち日本人旅行者たちに”God loves you”を連発しまくっていた。その限りなく熱い思い出は、今でもこの胸の記憶のうちで燃え続けているのである……!
 
 
 
イエス・キリスト マチェクさん 神 God loves you 信仰
 
 

 いやー。というわけで、マチェクさんは相当に熱い人であった。ていうか、目つきとかすごかったなぁ。ナイスガイな風貌であったが、そのまなざしはどこまでも真剣というか、ちょっとイっちゃってる雰囲気すら出ていた。いや、いい意味で。
 

 僕はマチェクさんと会った二年前のその時期には精神的に相当に死んでいたが、マチェクさんからは多大な元気を注入していただいたのである。
 

 信仰によって励ましてもらうというのは、本当にある話なのである。マチェクさんは今も地球の裏側で、やはり燃えまくりながら毎日の日々を送っているのだろうか。いずれ神の国にて再開する希望が与えられているとはいえ、その前にどこかでもう一度、忌憚なく語り合ってみたいもの……。
 

 同国人との交わりもいいけど、外国のキリスト者たちとの交わりって、またなんか特別なものがある。国と民族が違っても一瞬で本題に入れる関係というのは、やはり驚くべき恵みというほかないのである。