イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

筆者自身のスタンス

 
 まずは参考のために、筆者自身のスタンスを表明しておくこととしたい。
 
 
 筆者の、死に対するスタンス:
 筆者は、覚悟を決めておこうと思い続けながらも、死を恐れている人間の一人である。
 
 
 思えば、二十代の中頃から死ぬことが怖くて仕方なくなって、しばらくはガチで病んでいたなあ……。今はだいぶ落ち着いたけど、それでも死ぬことが怖くないとはとても言えないのである。
 
 
 ただ、この主題についてはそれこそ考えに考えまくったので、少なくとも自分自身の結論はそのおかげで定まった。他の多くの論点についても言えそうであるが、この後やるべきことは、答えを探すというよりも深めてゆくことなのではなかろうか。
 
 
 本当は、ソクラテスのように平然として死を恐れずに、たとえ自分自身が死ぬその日であっても何も変わることなく哲学を続けるというのが、哲学者としては理想なのではあろう。実際は、血糖値とかコレステロールとか塩分に対する恐怖に(まだ全然測ったことないけど)日々襲われ、不安と心配が止まらないという惨状なのである。
 
 
 ともあれ、筆者自身の死に対する態度としては、そんな感じである。他の人々は、どうなのであろうか。こればかりは誰も彼もが必修の科目(?)なので、この話題に全く関係のない人というのはいないはずであるが……。
 
 
 
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 ただ、最近だんだん気づかされつつあるのだが、この話題って、考えたことないっていう人はそれこそマジで考えたことがないようなので、「死ぬのって怖くないすか?」って聞いても、ポカーンみたいな反応が返ってくることも少なくないのである。
 
 
 この「ポカーン」グループの人々から死についての意見を聞こうと思っても、徒労に終わる可能性が非常に高い。いわば、政治に興味のない人から政治の話を聞き出そうとするようなものである。「はあ」「あんまり今まで考えたことなかったなあ」「いや、別に……」以上の答えを期待してはならないであろう。
 
 
 確かに、普段から死ぬことについて考えに考えまくっている人というのがもしいるとすれば、それは究極の陰キャとしか言いようがないであろう。世の中には、とろ生かぼちゃプリンとか乃木坂46とかマトリックス4来年公開とか、コンテンツは色々ある。存在のこの喧騒のただ中でひたすら死と消滅のことだけ考え続けている人間というのはまさしく、陰キャの王者と呼ぶべき強者であり、モテない王選手権優勝筆頭候補であろう。
 
 
 いやしかし、世の中にはひょっとすると「キャーわたし、死とかそういう真面目なこと考えてる人って本当タイプなんですそういう彼氏ほしい〜☆」という奇特な女性も存在するのであろうか。話が逸れてきているような気もするが、とにかくこのままこの探求を進めてゆくこととしたい。