イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

2018-01-01から1年間の記事一覧

ローテンションの過ごし方

今朝は何を書いていいか、わからないのである。 「……はぁ。」 もともとは哲学者としてこれからも勝負してゆくのだとか、そういうアグレッシブなことを書こうとしてたけど、なんかそういうテンションでもないのである。静かな朝だ。このままずっとボーッとし…

敗北の美学

哲学の未来について、引き続き考えてみたい。哲学の営みは、次の二つの時期をかわるがわる通過するように思われる。 1. 哲学が栄える時期。 2. 哲学が衰える時期。 この二つの時期が存在することについては、どうだろうか。それとも、1の時期しかなくて、常…

哲学女子と哲学の未来

前回は取り乱してしまい、申し訳ない。あのあと一晩泣き明かしたから、もう大丈夫だ。哲学女子の二類型の二番目に移ることとしたい。 2. 本物の哲学女子。 僕は彼女たちと接するたびに、ある種の尊敬の入り混じった驚嘆の念に打たれずにはいられない。彼女た…

「本当にもう気にしてないんです」

しかしここ数日、僕は考えたのである。カスミちゃんのことはとりあえずエポケー(判断停止)するとして、哲学女子たちは、次の二つのタイプに分かれるのではなかろうか。 1. ファッション哲学女子。 2. 本物の哲学女子。 1のファッション哲学女子たちは、若…

ただ上野に行くだけだ

「philoさん、今度プラトンの読書会やりません?やっぱり、プラトンとかアリストテレスとか、その辺りをしっかり押さえておかなきゃダメかなーって思って……☆」 俺もいずれプラトンは改めてしっかり研究せねばと思っていたから、読書会をするのにはやぶさかで…

孔子先生とカスミちゃん

先生ということでいえば、孔子先生こそは先生の中の先生であると言わざるをえないのではないか。 「私は、朝に道を聞くならば、夕方には死んでも構わない。」(孔子) この、執念にも近い道への熱情こそ、われわれ哲学者に必要なものではなかろうか。そして…

ある先達の言葉

ピアノの川村先生(彼女が信仰者であることを意識したのは、最近になってからだ)には高校のころ、たくさん話をしてもらった。今から思えば、人とちゃんとじっくり話させてもらったのって、それが初めてだったような気がする。 時間が経つにつれて、あの時は…

ピアノの先生のこと

それにしても、先生という言葉のうちには何か、独特な意味の深みがあるような気がしてならないのである。 夏目漱石の『こころ』に出てくる「先生」は、何の先生かはわからないけど、とにかく先生と呼ばれている。自分にとって大切な先生であればあるほど、何…

「その道は、険しく長い……。」

尊敬という本来の主題に、戻ることにする。 「尊敬すべき人間とは、どのような人か。」 どうやったら尊敬されるか、という問いを考えるより先に、こっちを考えておくべきだったような気もする。さて、この問いに対する答えとは、どのようなものであろうか。 …

恐竜を見た感想

先週の木曜日に、ひょんなことから『ジュラシック・ワールド』の最新作を見てきたのである。久しぶりにテンション上がった! 「……はぁ。」 ふだん全然映画とか見ないんだけど、三年前にも見たし、『ジュラシック・パーク』シリーズには縁があるのかもしれな…

迷走する独白

ちょっとだけ自慢してもいい?基本的にしょっぱいことしか起こってないここ数年とはいえ、少しはいいこともあったんだよねーうふふ。 「……はぁ。」 あのね、三年前にこのブログでモクブン・コーイチローさんの本の書評を書いたんだけど、その時モクブンさん…

尊敬について

尊敬という行為は現代にはあまり見られなくなってきてるけど(このことには、恐らく深い理由がある)、ツイッターでのbotの存在は数少ない例の一つかもしれない。 botは、過去のすごい人々の発言とか文章をつぶやき続ける。大抵これはすでにこの世を去った人…

「誰が真理を語るのか」

ここ数日、久しぶりに『老子』にはまってるんだよねー。 「……はぁ。」 昔は『荘子』の方がすごいんじゃないかと思ってたけど、『老子』もめちゃくちゃ奥深いのだ。なんかもう、奥深いという一語に尽きる。そういうのって、なんか憧れるのである。この人って…

歌う生活

なんかまとまらなくなってきたけど、もう一度本題に戻る。 「考え続けることは、生きることのうちで本当に大切なことである。」(二回目) 色々あるけど、やっぱり哲学って究極これなんじゃないかと思うのだ。何を考えるかというよりは、むしろ考えることそ…

片隅で考える

しかし、先人たちから学んだり感動を受け取ったりしたものとして、何か伝えたいことが自分にもあるだろうか。いろいろ思い巡らしてみるけど、とりあえず、次のことがまず思い浮かんだ。 「考え続けることは、生きることのうちで本当に大切なことである。」 …

読むことがすべてだった

「いま私が書いているのは、かつて、私自身が……。」 そうなのだ。いま僕が書かずにはいられないのは、かつて、僕自身が他の人々の言葉に衝撃を受けたからなのだ。 試しに、名前を少しだけ挙げてみる。サミュエル・ベケット。ヘンリー・ミラー。ヴァージニア…

屍を越えてゆけ

書かれたものは、どう読まれるかわからない(郵便的不安)。しかし、書くということは、その不確定性を突き抜けようとする試みでもあるのではなかろうか。たとえば、ドゥルーズの書いた次のような言葉を通して考えてみる。 「私たちは、自分の時代と恥ずべき…

エクリチュールという語について

「原理的に排除することのできない、ある郵便的不安……。」 たとえば、エクリチュールという単語である。これはフランス語で「書き物」という意味で、日本語で書き物って言葉はあんまり使わないから、このブログでときどき使っている。 ただ、ここには哲学の…

書くという不安

「他者の沈黙がかきたてる不安……。」 自分がしゃべり続けてるのに、相手はずっと黙っているとする。言うまでもなく、落ち着かない気分だ。自分はどう思われてるんだろう、嫌われてるんじゃないか、何かまずいこと言ったかな……などなど。不安は消えることがな…

牛乳の値段をめぐって

「友よ、わが叫びを聞きたまえかし……。」 今日僕は、久しぶりにマックに行ってきた。なんかもう、無性にハンバーガーをがっつり食べたくなったのである。健康ノイローゼの僕とて、たまにはチーズとか肉とかにむしゃぶりつきたいのである。 グランチーズベー…

スナック菓子と見知らぬ友人

「幸福。はかなく消え去る蜃気楼としての……。」 僕は最近、じゃがビーというスナック菓子にはまっているのである。これが実にうまい。特にバター醤油味とか、ホントおいしい。てか、最近はうす塩とか七味マヨですらもちょっと物足りないくらいで、バター醤油…

極上のビーチ

「反対物への、ヘラクレイトス的流転……。」 爽快な気分についても、考えておきたい。ここんとこメチャクチャに暑くて死にそうになるけど、さんざん暑い中を歩きまくったあとにプールに飛び込むというのは、おそらく最高なのではなかろうか。 暑い。もはや、…

モヤモヤする気分について

「気分は、人間の自由にはならない。」 この文章を書いてる現時点において、重大な危機では全くないが非常にモヤモヤするある話が持ち上がっており、気分が晴れないのである。 この話自体は今の話題とは関係ないのでこれ以上触れないが、久しぶりのモヤモヤ…

次の問いへ

意味もなくハイテンションなことが、したいのである。 「……はぁ。」 たとえばだ、昨日の僕だが、仕事以外はといえば、目の調子がよくないからっていうんでiPhoneに録音した哲学書をくり返し再生して聞き続けてただけだ。あとは、夕飯に食べたセブンイレブン…

文学はすばらしい

「書くこととは、コミュニケーションすることである。」 僕は今、巨大な虚空の中で、一人つぶやいている。たった今、連星が目の前で轟音を立てて爆発したところだ。ここで相手もいないままに延々としゃべり続けるのが、僕に負わされた運命のようである。 こ…

書くということは

「書くということはかくも根底的に、それを読むものとの関係において……。」 Tには昔、僕が書いたものをずいぶん読んでもらったのである。僕も、Tの書いたものを読んだ。僕とTはお互いに、本当に真剣に相手のものを読んだのだった。 僕が今でも書き続けている…

いなくなってしまった友人のこと

前回の記事で心の友とか書いてたら、その後に思い出したのである。僕にも、親友と呼べる友がいたのだ。 Tよ、いま君はどうしているだろうか!もうTと話さなくなってから、五年が経つ。いつかまた、話すことのできる日が来るのであろうか……。 Tとは毎日のよう…

エクリチュールの宛て先

「重要なことはアクセスではなく、むしろ……。」 今から思えば、ブログを書き始めた最初の頃は、とにかく人から拒絶されることを恐れていたのである。 書いた後にすぐに誰かからの反応が来るメディアというのは、怖い。自由に書いたものを発表できる時代にな…

虚空での独白

「ブロガーは、アクセス数を気にするべきか。」 最近、僕はふっ切れてきたのである。ぶっちゃけて言えば、最初の頃はアクセス数とかもっと気にしてたけど、時を経るにつれて、だんだん気にならなくなりつつあるのである。 ていうか、より正確に言うと、哲学…

読まれることをめぐる探求

「書くことがない時には、何を書けばよいのか。」 ぶっちゃけて言うと、そうなのだ。いま僕には、書くことがない。哲学の勉強とか、仕事とかはまあまあ順調でなくはないのであるが、特にこれを書きたいというものがないのである。 じゃあいったん休めばいい…