哲学
五月の人生の停止状態のあいだには、シルクロードの勉強に没頭していた時期もありました。そのため、敦煌やカシュガルの魅力について書きまくりたい思いも高まっているのですが、そうなると、もはや何のためのブログであるのかわからなくなるので、これから…
そういうわけで、そろそろ、自分の人生を再開させてみることにしようと思います。低空飛行&低速運行が原則であることは、もはや付け加えるまでもなさそうですが……。 それにしても、筆者はこれまで救いの哲学を追い求めつづけてきたけれど、誰よりも救われな…
逆流性食道炎は前回の記事を書いたのち、案の定インフェルノな事態にまで発展しましたが、もうそんなことを気にしている場合ではありません。あれから、はたして自分はこれから何を書いてゆくべきか、考えてみました。 「とにかく、愛しかない。」 自分でも…
ここのところずっと逆流性食道炎について書きつづけてきましたが、そろそろさすがに総括しておいたほうがよいような気がしてきました。 「苦しみがなくなることよりも、苦しみがあっても幸せに生きることをめざすべきなのではないか。」 これはよく言われる…
友人のTさんの話を聞いていると、逆流性食道炎は確かにきついけれど、これくらいで弱音を吐いていてはいけないのではないかと思えてきます。しかし、そのことを前提とした上で、やはりこれだけは書いておきたい。 逆流性食道炎患者にとって、食べることは、…
すさまじい逆流性食道炎の大嵐のなか、この記事を書いています……。当初は、人生のスウィートな停止状態を味わいつつ、しばらく落ちついて過ごすはずだったのに、なぜこんなことになってしまったのでしょうか。 筆者の人生は、なぜこんな苦しみの連続に姿を変…
とにかく軸がブレまくりの、わが人生。けれども、今回、人生について考えることをストップしてみて改めてわかったことが、一つあります。 それは、筆者にとっては、人生を生きることの意味は学問をすることのうちにしかないということです。勉強したり、考え…
チョコレートバー「パルム」の件は、あのあと、ひどいことになってしまいました……。全く笑いごとではすまされないような半日を過ごしたあと、ようやく少し落ち着きました。 「人生とは、絶えることのない苦しみの連続である。」 精神的な悩みからいったん解…
今回は、筆者のここ5年来の持病である逆流性食道炎について書いておくことにします。いや、この病については、いくら書いても書き足りないくらいです……。 食後に胃液がこみ上がってくるという、基本的にはいたってシンプルな構造をもつこの病気は、人間から…
前回の記事を書いたあとの夜中にこれを書いているのですが、「置かれた場所に咲きなさい」という言葉のうちには、思った以上に深い意味が込められているのではないかという気がしてきました。 まず、「置かれた場所」ですが、ここには、私の存在を贈与された…
さて、これから先の人生について考えてゆくにあたっては、まずは次の点に目を向けておくことにします。 「この人生においてひとりの人間がなしうることは、本当にごく限られたことでしかない。」 思考のうえでは人生には無限の可能性があるように見えても、…
そういうわけで、人生のスウィートな停止状態に入ったおかげで、だいぶ記事を書くうえでも精神がラクになりました。 自分では何も気にせず書いているつもりだったし、また、実際にとても楽しかったのですが、おそらく、「こういうことを書いてはいけない」と…
前回の記事を書いたら、なんだか急に楽になったよ、ピノコくん。僕はおかげさまで、とってもいい気分だ。朝日を浴びて輝いている、小川の流れのように……。 なんというか、人生のスウィートな停止状態とでもいおうか。もう全部いい、これからは完全に本音だけ…
ピノコくん。いきなりだけど、僕はいったん全部のことについて、頑張るのをやめたい。もうやる気が出ないんだ。頑張ることそのものに疲れたんだ。 「……そうみたいだね。」 前回の記事を書いてから二週間、何もする気がしなかった。君も知っての通り、4月に…
今回の探求のおわりに、次の信仰の言葉に耳を傾けておくことにします。 「真理はそれ自身、神である。」 わたしとあなたの対話においてとどまりつづける真理は、信仰の言葉によれば、神そのものにほかなりません。ただし、この点は、神が人格を持った神であ…
昨日の一日をかけて考えてみて、発見したのだ、ピノコくん。僕は「人間はよく生きるために苦しむことが必要か」という問いを立てていたが、ひょっとするとこれは、問いの立て方自体が間違っていたのかもしれない。 「……なんで?」 よく考えたら、僕には苦し…
ここで対話という主題を離れて、次の論点について考えてみることにします。 「生きることとは、その人に与えられた苦しみを生きぬくことなのではないか。」 苦しむことからは誰でも逃れたいと思うのが普通です。そして、もし苦しまなければならない場合でも…
傷の普遍性テーゼ : 傷は、実存することの真理とかかわりを持つかぎりにおいて、私秘的なものでありながら普遍性のモメントにあずからずにはいない。 上のテーゼについて、もう少し掘りさげて考えてみることにします。 わたしの痛みをあなたに言うことがで…
わたしとあなたが対話するとき、そこには第三の審級としての真理がつねにとどまりつづけているというのが、前回の記事の論点でしたが、ここには、傷という主題も関わってくることに注意を向けておくことにします。 「わたしの傷とあなたの傷は、ともに第三の…
わたしとあなたをめぐる対話において、哲学の観点からすると、次のモメントがきわめて重要になってきます。 「わたしとあなたは、真理において語る。」 語られることは、多かれ少なかれ、かならず何らかの真理において語られます。「2+3=5」を「2+3=4」…
わたしとあなた、自己と他者をめぐる対話について、もう少し考えておくことにします。 「他者であるかぎりの他者とは、まずもって、わたしが求める他者ではなく、わたしを求める他者である。」 わたしがあなたを求めているならば、わたしとあなたの関係は、…
さて、対話のさいには、次のようなモメントに目を向けておくことも重要であるように思われます。 「わたしの超越から、あなたは語る。」 わたしには、あなたが何を感じ、考えているのかをそのまま知ることは、原理的にいってできません。ただ、あなたの表情…
わたし自身の考えていることをあなたに伝達すること、また、あなた自身の考えていることをわたしが理解することの困難について、もう少し考えてみることにします。 「それぞれのコギトは、想像も及ばないほどに膨大な過去の記憶に取り巻かれつつ、思考してい…
前回に見た私秘性という概念について、根本のところに立ち戻りつつ考えてみることにします。 「わたしにはあなたに、わたしの感じていること、考えていることを、そのまま伝えることができない。」 わたしのコギトとあなたのコギト、すなわち、わたしの意識…
1.神については、人間にはその存在を論証することができず、人間は、神の存在については信じるしかない。(無知のモメント)2.それにも関わらず、人間は、神自身が人間に働きかけているとしか考えられないような瞬間に遭遇する。(知のモメント) 1の命題…
1.神については、人間にはその存在を論証することができず、人間は、神の存在については信じるしかない。(無知のモメント) 2.それにも関わらず、人間は、神自身が人間に働きかけているとしか考えられないような瞬間に遭遇する。(知のモメント) 上の二…
神の愛は、人間の弱さがその極点にたどりつく瞬間にこそ示される。ここにおいては、おそらく「示される」という言葉の意味のうちに踏みとどまっておく必要があるのではないか。 というのは、ここで示されるのが人間ではなく神の愛である以上、ここで問題にな…
人間にとって理解が不可能であるように見えるところで、それにも関わらず、神の愛を信じること。弁神論の完結不可能性テーゼからは、もしも人間が神のことを信じるとすれば、どこかで必ずそのようなモメントに突き当たらずにはいないという結論が導かれるよ…
「悪の存在について、私たち人間はどう考えたらよいのだろうか。」実存することの深淵においては、この問いが、耐えがたいほどの痛みのうちで問われることになりますが、ここでは、次のようなテーゼを提出しておくことにしたいと思います。 弁神論の完結不可…
「絶対的なものの秘密とは、愛である。」このテーゼについては、古来から人間が発しつづけてきた、次のような声を取りあげる必要がありそうです。 1.「もしも神がいるならば、なぜこの世にこんなにも多くの悪が存在するのか。」 悪という言葉をどのような意…