死について考える
前回の論点に、別の観点から補足を加えておくことにしよう。 論点:愛の体験もまた、人間を「他者のために生きる」という実存可能性へと向け変えるきっかけの一つなのではあるまいか。 赤ちゃんの話からいきなり恋愛の話に飛ぶのは、いささか唐突と思われる…
さて、本題に戻るとしよう。 論点の再提示: 他者のために何かをするということは、たとえ自分が死ぬとしても意味のあることなのではないだろうか。 この点、いちばん範例的であるのはやはり子供、とりわけ赤ちゃんであろう。 赤ちゃんのかわいさについては…
哲学の話になったついでに、少しだけ脱線しておくことにしたい。僕は今日(2/13)、久しぶりに哲学の研究会に参加してきたのである。 「……なるほど。」 いや、よかったよ。ソクラテスとかカントとか、レジェンダリーな先人たちについての発表を聞いていて、…
これまでとは話の向きが少し異なるのだが、ここから、これまでとは違う観点から死の問題にアプローチしてみることにしたい。 論点: 他者のために何かをするということは、たとえ自分が死ぬとしても意味のあることなのではないだろうか。 そうなのである。わ…
論点: 死から無に期するという可能性を取り去ることは、少なくとも理論的な見地からは不可能である。 もう一度整理しておくことにしよう。死んだ後にはどうなるのかという問いに対しては、大きく言って次の二つの答えの可能性があると考えられる。 死後の可…
論点: われわれ人間は、無ではなく存在の側に賭けることしかできないのではあるまいか。 たとえ今日死ぬとしても、そして、たとえ仮に人間は死んだら無に帰する(注:繰り返しにはなるが、この想定は、筆者自身の信ずるところではないけれども)のであると…
論点の再提出: もしも、死んだら無になるのであるとすれば、われわれが存在していることにも意味がなくなってしまうのではないだろうか。 もしも今日が最後の一日だとしたらというのは、映画やドラマでもよくあるシチュエーションである。この想定を手がか…
論点の再提出: 「死んだら一体どうなるのか」という問いは、この世ではほとんど発されることがない。 「死ぬ時には苦しみたくないよね」みたいな話なら、たまに話題に上ることもなくはないだろう。しかし、これはすでに論じたように、あくまでも「死」へと…
問い: 人間は、死んだら一体どうなるのか? 哲学には、答えを出せるかどうかには関わりなく、問いを発するだけですでに意味があるというケースが往々にしてあるように思われるが、この問いはまさしく、そうしたものの一つなのではなかろうか。 この問いは、…
前回の論点とも関連するが、われわれは、次の二つのモメントを区別せばならぬように思われる。 ①死に至るまでの、種々の精神的・肉体的苦しみ。 ②死そのもの。 ①はつまるところ死そのものではなく、いまだ生に属している。怖いとか辛いとかいったことは、と…
論点: もしも、死が無に帰することを意味するとすれば……。 仮に、人間が死んだら無になるとしてみよう(繰り返しにはなるが、筆者自身はそう信じているわけではないけど。しつこくてごめん)。 その場合、何をどうやったとしても、われわれにはいずれ無に帰…
論点: 哲学の探求も、かなりの部分まで直観に拠りつつ行われざるをえない。しかし……。 たとえば、死についてのエピクロス派の考えは、筆者にはどうしても人間を納得させてくれるものには思えないのである。 エピクロス派の主張: 死は、人間にとっては何物…
前回の伏線を回収せねばならぬ。 論点: 直観は、生命そのものの奥深い働きである。 ジョージ・ルーカスがミディ・クロリアンという設定で掘り下げようとしたのは、直観(この場合はフォース)と生命との奥深い関係そのものであったように思われる。それを「…
本題からは少し逸れてしまうが、この機会に以下の論点について考えておくこととしたい。 論点: 直観は、生の偉大な導き手である。 たとえば、今の主題である死に関しても、「哲学者にとって、死について考えることは重要である」と言われた時に、「その通り…
ところで、死について考えるという企てについては、次のような疑問もあるかもしれぬ。 疑問: なんでわざわざ、そんなテンション下がるようなこと考えるんすか? 確かに、こんなこと考えててひょっとしたら考えてるストレスのせいで胃腸の調子が悪くなったと…
あれからやはり気になってエピソード8を見てみたが、意外と面白いんじゃね……?というわけで、「エピソード8、実は見るべきものもなくはないんじゃないか問題」をいずれ提起したいものだが、この問題は簡単には決して片付かない大仕事になるであろうことは間…
まずは参考のために、筆者自身のスタンスを表明しておくこととしたい。 筆者の、死に対するスタンス: 筆者は、覚悟を決めておこうと思い続けながらも、死を恐れている人間の一人である。 思えば、二十代の中頃から死ぬことが怖くて仕方なくなって、しばらく…
今日から新しい探求に入ろうと思うのだが、今回のテーマは、以下のものとしたいのである。 問い: 哲学者は、死についてどのように考えるべきか? めちゃくちゃ暗い問いではある。僕も、最近はひたすら真面目かつ無味乾燥なものを書き続けてきたので、たまに…