イデアの昼と夜

東京大学で哲学を学んだのち、ブログを書いています。

哲学を愛する君へ

帰宅中の電車で原因不明のすさまじいやる気が湧いてきたゆえ、今これを書いている。時刻はまもなく、日付が変わろうかというところである。 うおおおおぉ!冒頭からいきなり暑苦しいかもしれんが、俺は燃えている。このやる気がまだ冷めやらぬ今のうちに、俺…

新しさはいかにして実現されるか

いやしかし、僕は思うわけですよ。うっとうしいとは思うかもしれないが、ひとつガマンして聞いてはもらえまいか。 「……はぁ。」 この世にウォシュレットなるものが、まだ存在していないとしてみてほしい。その上で、次のような話を聞かされたとしてみたらど…

ポスト真理の時代の自画像

あーくそう、スケボー乗りてえな。あ、でもね、今日はちょっと紹介したい画像があるんだよねうふふ。先に確認しておきたいんだけど、何見せても怒らないでくれる? 「……いえ、場合によっては怒りますよ。」 やだもう、そんなキビしいこと言わないでっ!なん…

スケボーはおかしい

いやしかし、納得ゆかんのはあの、マルクス・ガブリエルなる哲学者のイケイケぶりですよ。あれはけしからん。NHKの番組を見たのだが、彼はいったい哲学を何だと思っているのであるか! 「……はぁ。」 YouTubeにもひとつ番組がアップされてるから、興味があっ…

この世では負ける

ヒューマニズムという表現について、もう少し考えてみることにする。 ヒューマニズムっていっても、念頭に置いているのは現代のヒューマニズム(カミュとかサルトルとか)ではなく、ルネサンス期のユマニスム(人文主義)なのである。ペトラルカとかエラスム…

密やかなヒューマニズム

しかし、人間性の探求という言葉には、人間のあるべき姿を追い求めるという意味も含まれているのではないか。そして、おそらくここなのだ、哲学や文学がこの世にもたらすものが何かあるとすれば。 これは、哲学者や文学者が立派な人間だということではない。…

たまには真面目な話を

たまには、哲学的に真面目なことを書きたくなったのである。前回までの流れの続きではあるが、今から思いつくままに書き連ねてみることにする。 最初に断っておくと、これから書くことは、たぶん哲学に興味を持っていない人には全然面白くない。ていうか、哲…

「手つきからして危険な男」

ここ数回の話題にも関わるのだが、ブログに載せるっていうんでフーコーの画像を探してたら、すごいのが見つかったんよね。まずは下の写真を見てほしいのである。 (画像はウェブサイトより転載) どうですかこれは。手の動きがマジでヤバすぎるの一言に尽き…

餅は餅屋、あるいは医者の不養生

さて、本題に戻るとしよう。 哲学者への疑問: 自己への配慮、確かに大切な気もします。でも、自分以外の他の人のことはいいのでしょうか?自己への配慮もいいけれど、他者への配慮も大事なのでは? この指摘は、隣人愛の観点からしても大変に重要なものであ…

「その話をする気は、私にはない」

ところで、この「自己への配慮 Souci de soi」なる用語なんだけど、何気にオリジナルはフーコーなんよね。知ってる?フーコー。 「……ええまぁ、名前くらいは……。」 ミシェル・フーコーって、哲学やってる人は誰でもたいてい一回くらいはハマらずにはいられな…

2019年、年が明けるにあたって

年も明けて2019年である!明けましておめでとうございます、である。うおぉ、哲学の一年がまたしても始まろうとしている! いやー、お正月からやっぱりお正月にちなんだ何かを書こうかとも思ったけど、やっぱり哲学徒には哲学以外に何もすることなしというこ…

今年もありがとうございました

2018年ももう終わりだけど、最後になってまたしても反省である。しくしく……。 「……何かあったんですか?」 前回の記事にも少し書いたけど、ここ数日やたらと頭が疲れてたせいで、脳の調子がおかしくなったんじゃないかノイローゼに襲われていたのである。頭…

探せ、汝の朽ち果てるべき場所を

気がつけば、すでに年末である。今回とあともう一回書いたら、2018年もあっという間に終わりである。光陰矢のごとしとはよく言ったもので、現代風に言い直すならば、月日が流れゆくのが速いこと、まさしく無線LANのごとしであると言わざるをえぬ。 しかし、…

若者よ、君はなぜ今も

この機会に、書くということについて考えておきたい。何か見えそうなのである。おそらく、この何かは僕の人生にとって、かなり重要なことなのではないか……。 作家志望の若者のことを考えてみる。若者って言っても、もうそろそろ人生どうすんの君っていうくら…

地には平和を

しかしやはり、難しいのはバランスである。クリスマスイブということで、今日はやはり聖書の言葉に耳を傾けておくこととしたい。 「いと高きところには栄光、神にあれ、 地には平和、御心に適う人にあれ。」(『ルカによる福音書』2: 14) 僕にはどうしても…

ただもう光、光、光

先週、久しぶりに『ショーシャンクの空に』のことが話題に上ったのである。見たことある? 「……いや、ないですね。」 これは超定番だけど、めっちゃいい映画なのである。確か、世界中の人々に聞いた、ある一番好きな映画ランキングでも一位を取ったとか取ら…

本日、都合により……。その2

うおおおおぉ!失敗した!失敗したのである! 「……どうしたんですか?」 続きものの記事を書いてたら色々あってうまくいかなくなってしまい、結局最初から最後まで全部ボツったから、今日のための記事すらなくなっちゃったのである!うおぉ、何てこった! と…

おじさんは経験論者

受験の季節が近づいてきたのである。僕の塾でも、そろそろ本番に向けての追い込みがはじまりつつあるのである。 「……なるほど。」 あ、でもその前にいちおう確認しておくけど、前回の記事で一週間以上お風呂に入らなかったことがあるって書いたの、もちろん…

この人に聞く 第73回 : philo1985さん(哲学者)

すっかり肌寒くなった12月のある日、待ち合わせていた場所にphiloさんは颯爽と現れた。今をときめくカリスマ哲学者として超多忙な日々を送っている中、無理を言って本誌のインタビューに応じてもらったのだ。 「この季節、好きなんですよね。ほら、今の時期…

「ご連絡をお待ちしています」 哲学者は語る

質問者: 質問を続けます。あなたのブログを読んでいると、この人の書くものには一貫性があるのかという疑問に捉われざるをえません。泌尿器科での検診、マテ茶への不安、そして、最近ではあなたは源頼朝について書いていらっしゃいます。その場の勢いで書き…

「わたしは調馬師です」 ーある哲学者へのインタビュー

質問者:2018年末のこの時点において、あなたは昨今の哲学の状況をどのように捉えておいでですか? philo1985: 最初に一言だけ申し上げるとすれば、どうもこうもありませんね!哲学は死んでいます。何よりもまず、文体が欠けているのです。文体のないところ…

深夜三時に考える

今日もなぜか、気がついてみればすでに夜中の三時である。生活リズムが狂ってしまいつつある上に、今さっき、この時間にりくろーおじさんのチーズケーキまで食べるという暴挙まで犯してしまった以上、もはやブログを書かずに寝るわけにはゆかぬ。 深夜三時の…

意味は隣人のうちに

夜中の2時半にこれを書いているのだが、人間の最も大きな仕事とは、毎日の日々における隣人たちとの関わりなのではないかと昼間に散歩していて思ったのである。 われわれ人間は、毎日色んな他者たちと関わって、話したり、一緒に何かしたり、互いに笑い合っ…

俺のKAMAKURA

頼朝の話を続けよう。平安時代末期の関東地方がめちゃくちゃ興味深いのは、当時のこの地域が、ドラスティックな変化の可能性を潜在的にはらんでいたからである。 頼朝の決起は、この潜勢力を関東の大地に炸裂させたのである。それまで、なんとか自分の土地を…

すごいぞ、頼朝

クリスマスとはほんとに全然関係ないんだけど、最近、鎌倉時代の歴史にはまっているのである! 「……鎌倉時代、ですか。」 うん。ていうか、特に源頼朝という人物からは、何か学びとるべきものがあるような気がしてならないのである。 頼朝の人生は、THE・逆…

今月はクリスマス

毎日熱いマテ茶を飲むという南米の習慣は、遺憾なことに、食道にはよくないらしい。というわけで、別に普段から飲んでるわけではないが、マテ茶に対するすさまじい恐怖を感じずにはいられない今日この頃ではあるが、いちおう調子は二日前よりも少しだけよく…

熱い食べ物をめぐる不安

しくしく。心配なのである。悩みすぎてもしょうがないのは自分でもわかってるんだけど、それでもやっぱり心配なのである……。 「……どうしたんですか。」 うん。あのね、熱い食べ物とか飲み物って食道にはよくないって、よく言うでしょ。このところ、ずっとう…

「波は、あなたのもとに……。」

前々回の記事で用いた「キリストを宣べ伝えるビッグ・ウェーブ」という表現については、次のような意見もあるかもしれぬ。 キリスト者への一意見: ビッグ・ウェーブねえ……。こんなこと言ったら申し訳ないかもだけど、わたしの所にはそんな波、全然届いてな…

ポーランドのマチェクさん

ところで、前回の記事で二年前のポーランド旅行のことをちょっと話題に出したあと、そこで出会ったマチェクさんという人物のことを思い出したのである。 「philoくん。俺は昔、毎晩のようにパーティーに出かけて暮らしていた。だがある時、そんな生活がふい…

教会とは何か

話が逸れたついでに、ここで一度、教会なるものの存在について考えておきたい。 キリスト者の共通了解事項: 教会とは、キリストの体である。 これは使徒パウロが彼の手紙のさまざまな箇所で語っているところの、教会についての根本認識である。 この見方に…